「仕立屋5人組珍道中 フィレンツェ&ナポリ編」
この物語は2015年6月15日~22日の間、世界最大級のメンズファッションの見本市ピッティイマジネウォモを訪問すべく、仕立屋5人がイタリア、フィレンツェとナポリを舞台に駆け回る珍道中の物語である。
この物語(もちろんノンフィクション)を始めるにあたり、まずは主要な登場人物を紹介するとしよう。
S氏
大阪にショップを持ち、今回の旅の幹事を務めていただいたとっても頼りになる男
K氏
前回までの旅はいつも彼と二人だった名相棒。ショップは福岡。
T氏
現在のところ唯一の多店舗経営者。京都と大阪に数店のショップを持つ。
T師匠
全員共通の師匠。還暦を超えていることを感じさせないちょい悪オヤジ(笑)
今回の旅のキーマンでもある。
そして…
ボク
この物語を書く、ゑみや洋服店店長 えみちゃんである。
この5人は仕立屋であるのはもちろんなのであるが、T師匠を除き驚くべき共通点がある。
実はT師匠を除いた4人は、全員が同い年であり、全員が衣料品の販売を生業にしている家に生を受け育ち、それぞれがいろいろな葛藤の末、今の仕立屋という職業に活路を見つけ、その地域地域で好業績を上げている4人である。
しかも、全員が1~3人の子供を持つオヤジであることも共通する。
そんな限りなく境遇が近く、お互いに刺激を与えあう4人が偶然にも知り合ったきっかけもお話しなくてはならない。
彼ら3人とボクが出会ったのは6~7年前である。
ゑみや洋服店をリニューアルしてほどなくしたときのことである。
思い切ったリノベーションのおかげで、ゑみや洋服店を見学に同業他社さんが少なからずご訪問いただいていた。
この当時たくさんの同業他社さんとお話をさせていただいたのを今でも覚えている。
そんな中、はるばるやってきてくれたのが、S氏、K氏、T氏の3名である。
バラバラに訪問をいただいたのだが、地域や業態は違えど、同じ時代をよく似た境遇で生きてきたこの3人には、言葉を超え、通じるものがあることを感じ、ボクも含めこの4人を引き合わすことはボクの大切なミッションであると感じたのである。
4人が出会った当初にいつも話していたこと、それが…
「いつか4人でヨーロッパの街をオシャレに楽しく歩きたいよね!」
そう、まさにその瞬間が今訪れたのである…
つづく